機能性発声障害と整体について

声が出ない

機能性発声障害とは

機能性発声障害は、声帯や喉頭などの器質的な異常がないにもかかわらず、声が詰まったり、声がかすれたり、声が枯れたりするなどの障害が起こる病気です。

症状

機能性発声障害の症状は、

  • 嗄声(声がかすれる)
  • 声が枯れる
  • 声が小さくなる
  • 声が続かない
  • 声が痛い
  • 声が疲れる
  • 声がうまく出ない
  • 声がうまくコントロールできない
  • 特定の韻で詰まって声が出なくなる

といったものがあります。

また種類も多く、

・心因性発声障害
・変声障害(声変わり障害)
・音声衰弱症
・仮声帯発声

といったものがあり、原因のハッキリしているものからよくわからないものまで様々あります。

診断

機能性発声障害の診断は、耳鼻咽喉科の医師が行います。医師は、問診や視診、聴診、内視鏡検査などを行い、機能性発声障害かどうかを判断します。

治療

機能性発声障害の治療は、主に音声療法と薬物療法が行われます。音声療法では、発声のしくみやコツを学び、正しい発声を習得します。薬物療法では、症状の緩和のために、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることがあります。

予防

機能性発声障害の予防には、以下のようなことが効果的です。

  • 長時間の声の使用を避ける
  • 声帯を休ませる
  • 声を出すときには、無理をしない
  • ストレスを溜めない
  • 規則正しい生活を送る
  • バランスの良い食事をする
  • 十分な睡眠をとる

機能性発声障害は、早期に治療を開始することで、ほとんどの場合治癒します。しかし、放置すると症状が悪化し、社会生活に支障をきたす可能性があります。

ここまでが一般的に機能性障害についての説明になりますが、事例があり整体についての視点から考えてみます。


整体から見た機能性発声障害とその症例

「声が出なくなったが、整体で良くなるのか?」という相談がありました。

私はその時はじめて「機能性発声障害」という言葉を知るほど何もわからない状態でしたが引き受けることとしました。

症状

  • 「か」「た」で言葉が詰まり流暢に話すことができない。
  • 会話をしている徐々に声が詰まりでなくなってくる。
  • 声がかすれてくる。
  • 声を絞り出さないとでない。

症状が出始めるようになったきっかけ

1年以上前にコロナ感染後、咳、鼻づまり等がひどく、その後徐々に声が出しづらくなる。

病院での診断・治療

2種類の原因が混ざっており治療・回復は困難。声帯に注射を打つことで少し症状が緩和したかなと思える程度。

整体視点で見た状態

正座の姿勢で発声を行ってもらい「か」「た」の言葉のつまりを確認。
通常会話でも声を絞り出すように話している。

また言葉が詰まると、さらに強く無理に声を絞り出すように声をだしており、首への過緊張がみられる。それにより声帯を締めあげているようにみえる。

機能性発声障害への施術

声を出す時に明らかに声を絞り出すようにしているため、頭が前方へ動こうとし、頸部前部に強い緊張があり。また鼻詰まりのような話し方、鼻腔内に音が響かない感じ。

姿勢によって頸部に緊張が入りにくいように誘導し発声をすると楽に声が出せることを確認。

頸部への緊張の元となる歪み、副鼻腔の詰まったような緊張感を解消することで症状が緩和。

全身の調整、頸椎の調整、頭蓋骨の調整、頸部・胸部の緊張の調整、姿勢指導を行う。

機能性発声障害の経過

1回目の施術後は声が出しやすいがまだ詰まりはある。という事でしたが、回数を重ねるごとに特定の韻で詰まる感じ、声がかすれてでなくなるよう感じはなくなってきている。仕事でも声が出るようになってきているほどに回復。

施術頻度

週に1度の頻度で3か月ほど。体感で9割良いとのこと。

機能性発声障害となった原因への考察

コロナに感染し長らく鼻づまりの状態が治らず非常に声が出しづらい状態が続いた、という事があったそうです。日常的に声をだすことが多いため、声が出しづらい状況にあるにもかかわらず無理に声を出そうとした結果、首への緊張、声を出す際の身体の使い方が狂い声が出しづらくなったと思われます。

声が出しづらくなったことで、さらに無理に声を出そうとすることで、さらに強く頸部への緊張が強くなり状態が悪化したものと推測されます。

機能性発声障害についてのまとめ

今回のケースは初めて聞く症状でしたが、整体視点では腰痛や肩こりと変わりません。

症状が出る際に起きる歪みさえわかれば対処は可能です。

今回のケースでは、頸部の過緊張、鼻腔の歪み、動作の歪みでした。

当整体では構造での差異よりも、動作での差異をみています。その差を歪みとし、解消できる歪みなのかそうではないのかの判断で対応可能かどうかが決まります。

今回は本人が良くなりたいという強い意志を持っており、それにより攻めた施術も可能となり順調に歪みをドンドン解消することができ、歪みを取るたびに症状に変化がでる状態でした。

良くなるには本人の意志の強さが重要であるといえるケースでしょう。

最後にひとこと

良くなるためには意志が必要です。重い症状程それは顕著に出ます。どこに行ってもよくならない、原因がわからない、でも良くなりたい!と考えているのであればご相談ください。

2023.8.29

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