少し前ですがこんな記事がありました。
藤浪晋太郎、“イップス”重症で引退危機 「野球を辞めるまで治らない」と専門家の指摘
こんな記事もありました。
「チャップマンのパロディー版」 藤浪晋太郎が“デッドボール・アーティスト”として全米から注目を集めている
という感じでコントロールが良くない、という評判が目に入りました。
私は野球をプレイしない、全く詳しくないのですがメジャーにいくぐらいの人ですから何らかの実績がある人なんだろうと思い調べてみました。
もともと制球力は良くないが、2015年あたりから暴投が目立つようになり一部では「イップスでは?」と言われているとありました。
これは何かあるのでは?と思い整体魂がうずき気になって投球映像を見てみることにしました。
整体の観点から投球フォームを見てみる
整体の観点から見る時になにをみるか?というと、動作時の中心点を黄色、体の緊張具合を赤としてフォームをみます。
まずは絶好調の162㎞をマークしたときの写真です。
右前腕部に緊張、投球時には過度な緊張が無く、胸椎12番、腰椎1番付近を軸にして投げているようにみえます。
次に160㎞投げている時の写真です。
162㎞と同じく前腕のほかに、大胸筋、肋間筋に緊張があり、リリースの時には右前腕に少し緊張が残っているようです。
次にイップス疑いのあるコントロールを失った時のものです。
前腕、大胸筋、広背筋、胸骨、大腿部に緊張が強く、リリースの瞬間に中心軸が左臀部にあり、前腕・広背筋・左臀部と、この映像では映っていませんが、胸部の緊張も残ったままの様にみえます。
整体視点で考えてみる
このように投球時の様子を画像で見ると、調子が良いときは緊張が少なく特にリリースの瞬間は綺麗に力が抜けて鞭のように力が下から上にと流れているスムーズさがあります。
一方で不調の時は、体の前面部に緊張が入り、リリースの瞬間もそれが残る。さらに背部の筋肉である広背筋や殿筋といった部分も緊張しています。
またコントロールが無い時は軸も体の中心になくなっています。
なぜこのような緊張が生まれるのか?
考えうる一つに、本人の緊張具合に関係あると思われます。
試合内容を詳しく見ていないのでわかりませんが、一般的にメンタル的に余裕があるときはリラックスでき、余裕が無ければ緊張します。
ただ運動する際に緊張が無いよりもある程度の緊張感はあってよいので、上手くやらなければ、ここで押さえねば、といった際に緊張が強くなるのではと推測します。
または疲労による筋肉の緊張状態が抜けていない、フォームの変更によって、特定部位に緊張がかかりやすい、身体に緊張の癖が残ってしまっていて日々のケアで取り切れていない、などが考えられます。
施術でコントロールは良くなるのか?
可能性はあります。
人間はその時の状態を思い出すと体がその時と同じような状態へとなります。
ましてやプロ選手ともなればそのイメージ力は一般の人とは比べ物にならないほどでしょう。
ですので、本人にとってより緊張するシチュエーションを想像したり、過去の記憶を思い出してもらいながら整体で矯正することで緊張に変化が生まれてきます。
「プレッシャーのある状態で体が極度に緊張する、という記憶がある」ということは、「プレッシャーのある中で調子のいい時のフォームを覚えさせる」という事も可能ということです。
理想としては実際の試合でピッチングしているときに私が横について、暴投したら施術をして、ピッチングしてもらって、状態を見て、施術して、、、と繰り返しできたら良くなる可能性は高いです。
しかし現実問題として試合中の施術は厳しいのでイメージをして動いてもらい、緊張箇所があれば緩める、という施術を行うということになります。
まとめ
今回初めて整体視点で見たブログを更新しました。
野球はプレイ経験がないですが、映像や写真を見ることでその人にとって過緊張な部分をある程度知ることが出来ます。
この緊張自体が筋肉が疲労によって張っているのか?
フォームによって毎回そこが過緊張になるか?
メンタルの問題で過緊張状態になるのか?
日常生活でも過緊張状態にあるのか?
といった事は実際に施術してみない事にはわかりません。
学生の部活動での不調についてはたくさん見てきていますが、プロ選手ともなると体を限界域まで使いますので同じかはわかりませんが、機会があれば一度施術したいですね。
という事で藤浪選手、遠い青森の地でお待ちしています!
2023.6.7